本年4月より取り組みました「城山の家 再生工事」は
10年以上空き家となっていた平屋建ての建物です。
昭和50年に別荘として建てられた建物を、
今回は模様替えという方法で再生しました。
(外観について)
城山に建つこの家は、松本市に明治時代より発展した
「擬洋風学校建築」ならびに、大正期の(旧)松本高等学校(あがたの森)
を参考に、風致地区内にあることを考慮し、下見板張りと漆喰塗の外壁、
昭和50年代のタイル貼壁等で構成した外観に整えました。
また屋根の中央、四角形平面の塔屋の上に
少々風変わりの小屋裏換気口を取り付けています。
(内装について)
この建物の模様替えをご依頼いただいたお施主様が、海外生活の長いことも
あり、内装床にタイル貼りを多く使用しています。
そして、全館ほぼ床暖房を施し、予備暖房に蓄熱暖房機も用意されています。
またお施主様が音楽家でもありピアノを弾かれることも考慮に入れ、
窓のトリプルガラス化、内壁・天井裏は吸音・断熱を含め2層化しています。
細かく室割をせず、広い空間をうまく使い分けすることで
よりストレスなく住みやすく過ごしやすい空間になったのではないでしょうか。
城山の家は、何時誰が来ても過ごしやすく、そして何十年後かに
次の世代に受け継がれることを、お施主様も田も願っています。
再生前の建物の様子