東京上野駅近くで、修繕工事を行なわせていただきました。
昭和3年に建築された建物で、鍼灸治療院を営われていたご夫妻が永く住まわれていた長屋の一角です。
この建物は、障害者の方の作業の場へと生まれ変わります。
「なるべく以前の面影を残してください」「その中で、みんなでいろんな作業をしていきたいのです」
新しい御施主様のご希望です。
天井に紙が糊付されていました。
1階天井裏からの埃が落ちてこないように貼っていたものですが、かなりの量の糊を使ってきれいに貼られていたので
剥がして糊を取り除くことが不可能で、残念ですがここは木天井を再生出来ませんでした。
その他は既存天井を補修を加えながら、残すことが出来ました。
建物の西側は、窓と窓枠が腐食してビニールシートで覆われていました。2階に至っては、覆われてもいない状態でした。
よくここまで、雨風に耐えてきたと思います。
工事が終盤に近づく頃に、お施主様からご要望がありました。
「仕上げを自分たちでやってみたい」
彫金室や皮革手縫い室等々の作業室、そして展示室があります。
塗り壁・塗装・展示室の床のタイル貼り、最後の仕上げをみなさんで行なうことになりました。
台風が多かった夏の間の修繕工事でしたが、先日無事にお引渡しさせていただきました。
みなさんの作業が完成したら、またご紹介させていただきます。